「…私、欲しいものないので…大丈夫です。」

タダで住ませて貰ってるのに、欲しいものなんて買う贅沢はない。

「服とかは?いらないのか?」

服……街でおしゃれなワンピースとかを見たり、可愛い女の子たちを見ると、凄く羨ましくなるけど…

でも私は、その女の子たちとは違って、何を着たって似合わないのが事実だし。

「大丈夫です。」

凌さんは、私に対してか、困ったように眉毛を下げる。

「佑香、これは俺からのお願い。」

「え?あ、は、はい。」

「明日、服買いに行こう。2人で。」

「あっ、凌さん欲しい服あるんですねっ!分かりました!私で良ければ荷物持ちしますっ!」

「なんでそうなる…」

え?違うのかな?じゃあ、どうゆうこと?

「まぁいいや。じゃあ、また後で。」

ぽんと軽く私の頭の上に手をのせると、凌さんは自分の部屋に入っていった。

凌さんと出掛けるなんて、初めてかもしれない…。早く明日にならないかな…