「ずっと、探してたから、会えて嬉しかった。あのさ、佑香ちゃん…1つ聞いてもいい？」

「え？あ、はい。」

「文月の事、好き？」

凌さんの事…？いや、好きだけど、でも七瀬さんが言ってるのは、恋愛感情で、って意味だよね…？？

どうなんだろう…私、そんなこと考えたこともない。私は、凌さんが…

プルルルルッ… 私の考えを遮るようにバッグの中で着信音が鳴り響いた。

「あ、ちょっと、ごめんなさい。」

「あ、うん。いいよ」

水瀬さんに一言言ってから、私は手探りでバッグの中からスマホを取り出す。

相手は…凌さん…あぁ！！そうだ！私、凌さんを待たせてたんだった！

「あっ、凌さんっ、ごめんなさいっ！！ちょっと、人と話してて盛り上がってしまいまして…」

「良かった…。佑香に何かあったのかと思った…」

「あ、大丈夫ですっ、ご迷惑をかけてごめんなさい。今すぐ行きますねっ！」

「あぁ、待ってる。」