その日の帰り、女たちは、退学届けを提出したらしい。

俺は、帰りのHRが終わってから、いつもは4人で溜まり場に集まるところを、今日は断って、
退院すると言う、佑香の元へ足を動かした。

『コンコン!』

「あ、はい!」

一日ぶりに聞く、愛おしい佑香の声。

ガラガラと病室のスライドドアを開けると、しゃがんで、大きめのバッグに荷物をつめている佑香の姿が目にはいった。

その右腕と、手首には、包帯が巻かれている。よく見ると包帯は、足首にも。

「佑香っ!?その包帯、大丈夫なのかっ!?」

「えっ、?あ、大丈夫ですよ。少し、痛みますけど、そんな重症じゃないので(笑)」

佑香は、俺を見て、ニコッと笑ったあと、目を丸くした。

「凌さん、汗凄いですよ…?もしかして、急いで来てくださったんですか?」

え?、あぁ…夢中で走ってきたから…。

「佑香に会いたかったんだ。」

情けない姿を見せたな……

恥ずかしさを隠すように首をかしげて見せると、佑香は、顔を赤くした。