「っ、良かった…」

圧迫感が解けたからか、力がぬけたように俺は、しゃがみこんだ。

「ごめんなさい。大丈夫なんですけど、お医者さんが、一応安静にって、今、起き上がったらいけないんです。」

「私を見つけてくれた先生も、先程、帰られて…」

まるで、何もなかったかのように、淡々と俺に向けて話す佑香に胸が締め付けられた。

俺は、傍にいたはずなのに、守ることが出来なかった。

明らかにおかしい佑香の様子は目に見えていた。ちゃんと、話しを聞けばよかった…。、

俺は、佑香をこれでもかというほどに、抱きしめた。

「凌さん…?ちょっと、痛いです…」

「悪い…でも、もう少しこのままでいさせて、、」

少し腕の力を緩めて、優しく包み込むように佑香を引き寄せた。

「ごめん、ごめん……」

「大丈夫ですよ。凌さんのせいではありません。」

佑香の身体は少し冷えてる……

「佑香、何があったのか話してくれないか。」

俺は、佑香から体を離してそっとたずねた。