8 (後悔)
[凌side]

黎が慌てて、俺のもとに走ってきたのは、学園から帰ってきてすぐだった。

「凌っ!!大変だっっ!!」

黎が俺の事を呼び捨てする時は、相当驚いた時か、何か重大なことが起こった時…

黎の次の言葉を聞いた瞬間、俺の中に、今までにないくらいの怒りが湧き上がった。

「花衣様がっ!!何者かに突き落とされたのか、意識不明の状態で、病院に運ばれたそうですっ!!しかも、全身、びしょびしょだったとっ!!」

突き落とされた…?意識不明……?びしょびしょ…?

ここで、やっと、謎が解けた気がした。佑香が、俺に何かを隠していた理由……

佑香は、優しすぎるんだっ、

「どこの病院だっ!?すぐに行くっ!!」

「春咲総合病院ですっ!」

それから、すぐに、運転手を呼んで、俺は車を走らせた。