「てか、肝心な花衣が全然食えてないし…」

「あ!私は、大丈夫ですよ!」

いま、この空間がすごく楽しいから…。

私は、この世界にこんなに幸せなことがあるなんて、思ってもみなかった。私は、お父さんが死んじゃってから、お母さんが、たっくさんの愛情を注いでくれたけど、……

でも、実は、お父さんからの愛情にうえてたんだ。お金もないから、中学生時代も友達と遊びに行くなんてなかった。

誘いを断り続けていたせいか、友達も上手くできなかったし…

そう思うと、悲惨だったな~……なんて、

「楽しい…」

「え……?」

気づいたら、もれていた声に、白銀さんが驚いたような声を出した。

「あ、私、声出てました?」

「あ、ああ…」

「すみません、なんでもないんです!」

私はそっと、この幸せが続きますように、と願った。