「……良いよ…?」

必然的な上目遣いで返事をすると、凌くんは私から見ても分かるような…獣の目に変わった。

「そんな事言って、食べられても文句言うなよ。」

「えっ、…んっ、?」

本当に食べられてしまうのではないかと思うほど、甘くて溶けるようなキスが何度も注がれた。

「凌…く、ん?」

「俺からも1つわがまま言わせて。」

「ん?」

「来年はバレンタインちょうだい。佑香の手作り。」

.あ、…そこまで言われて思い出した。

「チーズケーキ!!」

「え?」

「凌くんに作ったの、部屋に置いてきちゃった。」

凌くんは、悲しげに少しだけ目を伏せると、すぐに右の口角を上げた。

「今はこっち貰うからいい。」