28 (付き合うとか)

青団が他の団に大きな点差をつけて優勝し、無事に体育祭は幕を下ろした。



6限目終了のチャイムが鳴り、今日もまた平凡に1日が終わろうとしていた。

「佑香。」

「ん?」

聖良くんは、あれからも幼なじみとして変わらず接してくれる。

「あのあとさ、結局文月 凌と付き合うことになったの?」

えっ、付き合う…?

「好きとは言って貰えたんだけど…」

「じゃあ、付き合えたんだな。」

「いやっ、付き合うとかは何も言ってなくて。」

記憶を巡らせながらそう伝えると、聖良くんは私を哀れな目で見つめた。

「今回ばかりはあいつに同情するわ…。」

「あいつ?」

「いや、なんでもない。」