「凌さん…」

「やっと伝えられる。」

へっ、?見た事のないくらい真剣な眼差しに吸い込まれそうになる。


「佑香、好きだ。」


その言葉は、ずっと、ずっと欲しかった言葉で…だからこそ夢だと思った。

「現実…ですか…その、…好きって…」

「あぁ。佑香しかいない。」

「う、うぅぅ…」

意思なく、私の目からは涙がこぼれ落ちてくる。

そっと、自分の頭に巻いてあるハチマキをとって凌さんに差し出した。

「凌さん、これ受け取って貰えますか?」

私なりの好きの伝え方…だったのに…

「え?あ、あぁ。」

凌さんは変なところが鈍感で、全く意味なんて分かってないみたい。

「ハチマキを男女で交換すると結ばれる、そんなジンクスを聞いたんです。」