そして、いよいよやってきた体育祭。

私が1人、席に座っていると、聖良くんが声をかけてくれた。

2人で裏庭に行く。

「佑香あのさ、ハチマキ交換しない?」

えっ、それってジンクスの?
でも、何で聖良くんが?

きょとんと首を傾げると、聖良くんは私とグッと距離を近づけて、軽く口角を上げて笑った。

「前も言ったけどさ、佑香の事が好きなんだ。あの時は、分かってなかったみたいだけど、」

「えっ、それは…どういう意味あいで…?」

「恋愛感情として、小さい頃からずっとずっと大好きだった。」

っ、聖良くんそんなふうに思ってくれてたんだ…。でも、私が好きなのは…

「ごめんなさい。」

「うん、分かってたよ。好きなんだよな。文月 凌のこと。」

「……うん、」