「凌に佑香ちゃんみたいな人が出来て良かったわ。」

「凌を変えてくれてありがとう。凌って、ずっと女嫌いで、喧嘩ばっかりしてて、許嫁なんていう話を出した時、それはもう怒ったの。
ふざけんなって。でも、長谷部から凌が許嫁の話を受けるって聞いた時、言葉を失ったわ。
佑香ちゃんには何か違うものがあったのね。」

凌さんのお母さんの話に私は首を横に振った。

「私はそんな特別な人間じゃないです。」

「ううん、佑香ちゃんは特別よ。私にとっても凌にとっても。」

「それなら、特別にしてくれたのは…凌さんです…。」

「そっか、ありがとう。」

私と凌さんのお母さんは、そっと笑い合った。