25 (色づく頬)

その後、文月家へ戻ってくると、長谷部さんが焦ったような顔でかけてきた。

「大丈夫でしたか!?」

「あぁ。」

「良かった…」

凌さんがいつもと変わらない表情で頷くと長谷部さんは安心したように胸を撫で下ろした。

「長谷部さん…、ご迷惑をおかけて申し訳ありません。」

「いえ、ご無事で何よりです。戻ってこられるのですね。すぐに手配致しますね。」

「…ありがとうございます。」

長谷部さんの優しさに私は何度も助けられた。本当に感謝しかない。

「あ、あの、救急箱…ありますか?」

そう尋ねると長谷部さんはもちろんと軽くお辞儀をして、違う部屋へ入っていった。

私と凌さんはリビングのソファーに座る。