そんな不安げな私の表情を読みとったのか、水無月さんは軽く口角を上げた。

「大丈夫だよ、俺たちはこれでも日本1の暴走族だからね。あんなただ人集めましたみたいな奴らに負けないよ。」

その言葉は真っ直ぐで頼もしすぎて、また涙が溢れそうになった。

「ほら、もうすぐ終わる。」

水無月さんがそう言った時、凌さんの声が耳に届いた。

「お前のエゴだろ。LUPUSとDaarkの対立は、勝っても負けても、恨みあいなしの約束だった。兄貴は望んでねぇぞ。」

「うるせぇ！兄貴は、お前に殺されたようなもんなんだよ！そんなやつが幸せになるのは許さねぇ。」

続いて聞こえた七瀬さんの声。

その話の途中で水無月さんに手を引かれた。