「佑香!!!」

へっ、凌さんの声…??

「来たぞ!文月 凌が!」

一斉に凌さんの元へ鉄パイプなんていう危ない物を持って、かけていく男の人たち。

あんな人数…さすがに無理だよ…。
きっと、凌さんは1人だ…。

私の場所から凌さんの姿は見えない。

どうか、凌さんが無事でありますように…。

そう願っていると、男の人たちの唸り声が響いた。

声でわかる。凌さんは相当強い…。だけど、相手は人数が多い上に鉄パイプなんて卑怯すぎるよ…。

凌さん!凌さん!

その時、鉄パイプが当たったような鈍い音が響いた。

えっ……りょ、さん…やだやだ、ダメ、ダメ…

私の目からは涙が溢れてきて、制御がきかない。