星城さんと、いや、星城くんと話していた時、後ろのドアがガラッと勢いよく開いた。

"その人"は、私の前の席まで来ると、睨むように、私をみた。

そして、一言…

「誰だ、こいつ。」

「白石、今日、編入してきた、花衣 佑香。」

星城くんが、そう説明してくれた途端、彼の顔つきが変わった気がした。

「花衣……?」

「もしかして、佑香っっ!?」

「え?」

「覚えてない?俺、白石 聖良 (しらいし せら)」

フラッシュバックするのは、幼い頃の記憶…
そういえば…昔、よく遊んだ男の子がいた。でも、小6の時に転校しちゃって…そうだ、

「聖良くん!思い出したよ!久しぶり、」

「久しぶり、会いたかった、佑香。」

「えっ、佑香何者、こいつが、誰かに懐いてるの初めて見たんだけど、」

「そうなの?聖良くん。」

「いや、佑香は気にしなくていいよ、」

「あ、うん、」

聖良くんだって知られたくないことはあるよね。この話は触れないでおこう。