「長谷部さん、ありがとうございました。」

部屋の前へ着いて、長谷部さんにお礼をすると、長谷部さんは、優しい声色で

「顔を上げてください。」

と言ってくれた。

「…一つだけ言わせてください。」

「…はい。」

「僕はいつまでも、凌様と花衣様の味方です。凌様には……いえ、これは僕が言うことではありません。」

途中で止めてしまった言葉が気になったけど、でも…そこから…長谷部さんのやさしさが感じられた。

きっと、私自信が考えなきゃいけない言葉なんだろうな…

「本当に…今まで沢山助けて下さりありがとうございました。その…万が一というか、いざとなった時、凌さんに私の部屋を探して欲しいと伝えて欲しいです。」

「分かりました。いつでも戻ってきて下さって大丈夫ですからね。」