「ダメ。」

椅子から立ち上がった私の腕を凌さんはグッと掴んだ。

「へっ、?」

「俺寝たら、佑香…居なくなる…。」

っ、何この可愛い子犬みたいな凌さんっ!

「居なくならないですよ。大丈夫です。」

凌さんの不安を落ち着かせるために、私はベットのそばにしゃがみこんで、凌さんの手を握った。

「私、そばにいますから。ね?」

「…やばい…熱のせいで…理性とびそう…。」

理性…??

「え、あ…」

戸惑う私に追い打ちをかけるように凌さんはいたずらっぽく、だけど、真剣に告げた。

「離れんなよ…」

…その日が、来るまで…そばにいます…、

「今日、行けなくてごめんなさい…。」

「…ん。謝んな。」