21 (大好きな人を諦める。)

「俺、佑香ちゃんに出会ったことが運命だとか、夢に出てきたとか、言ったよね?」

「は、はい…」

「全部嘘で、俺が文月 凌を恨んでるって言ったらどう思う?」

えっ、、

「Draak(ダーク)っていう暴走族があったのを知ってる?」

「いえ、」

「LUPUSに潰されるまで、日本1だった暴走族。」

「る、ぷすに潰された?」

「そう。俺の大好きな兄貴が総長だったんだ。でも、まだ、1年だったあいつに壊された。」

あいつ…それ、って…もしかして…

「文月 凌。あいつがDraakを潰した。日本1だと評されていた兄貴は一瞬にして敗れた。」

「そん、な…」

「しかもね、それだけじゃ、終わらなかったんだよね。
兄貴は…その後、自殺したんだ。」