優しさなんて、ないの…

凌さんには笑っていて欲しいのに…彼女さんがいるっていう現実を受け止めきれない。

スマホを手に取って、凌さんとのトーク画面を開く。

涙でぼやける文字を震えながら、打っていった。

「明日、行けそうにないです。」

苦しかった。本当は、凌さんと花火大会に行けるなんて、楽しみで仕方なかった。

お母さんの浴衣があったから、それを着ようかななんて浮かれたりして…。

初めから凌さんが私を好きになってくれる確率なんてなかった。

でも私は頑張りもしなかった。

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こんなわがままなことをすればきっと、優しい凌さんでも怒る。

私は、このままじゃもっともっと凌さんを好きになってしまうから、

どうせなら……