勝手にそんな返事を期待してしまう。

ただ、温もりを離したくなくて、私はお腹の辺りにまわされた凌さんの腕に触れた。

優しい…優しい凌さんの温もり。

伝わってくる穏やかな寝息。



「離れないで、ください…。」



凌さんの好きになる人が私だったらいいのに…。

そしたら凌さんはきっと、ずっと一緒にいてくれる。

そんなあまい考えをしていた私の脳裏にある光景が浮かんだ。

凌さんに十分すぎるっていうぐらい愛されて、大切にされて、愛おしそうな視線を向けられている女の子。

きっと、可愛い子なんだろうな、凌さんが好きになる人は…

私なんかじゃ敵わないくらい…。

ずっと、ずっと…。