もう…本当、凌さんには敵わない。

昨日、凌さんが言ってくれたこと。

「大丈夫。そばに居る。」

その言葉が温かくて、たまらなかった。

今までは、雷がいくら怖くてもずっと家で1人だったから…。

でも…この温かさに溺れてしまうのが怖い。

凌さんがずっとそばに居てくれる保証なんてどこにもない。

お父さんや、お母さんのように…突然居なくなってしまったら…。

もしも、凌さんに大切な女の子が出来たら、私は出ていかないといけない。
そしたら…


また、1人になる。


もう戻りたくない。
お母さん、私は大丈夫かな。

私、1人になりたくないよ。

帰ってこない声。凌さんだったら、凌さんにこんなことを言ったら、なんと言ってくれるんだろう。