「佑香。」

「は、いっ?」

「髪…」

「ごめんなさい!すぐ、乾かしてきます!」

「俺がやる。」

「はい…?」

「俺が佑香の髪の毛乾かすよ。」

そう言うと、どんどん頬を赤くしていく佑香。
…やめろ、そんな顔されたら期待すんぞ。

「おいで。」

近くに置いてあったドライヤーを手に取って、ソファーの方に佑香を手招きで呼ぶ。

「…えっ、え?」

壊れたロボットのようにカタカタしながら、俺の前まできた佑香。

その手を掴んで、俺の膝に座らせた。

「きゃっ!」

シャンプーの甘い香りが漂ってくる。

「逃げるなよ。」

膝に座らせたはいいけど、そのままだと乾かせないから、俺は1歩後ろに下がって、足を折りたたんだ。