18 (いつもの違う君。)
[凌side]

顔を真っ赤にしながら頭を下げて、走っていった佑香の温もりはまだ残っている。

「っっ、」

可愛いすぎるだろ…。

でも、なんかドギマギしてた気が…。

…というか、それより…

「黎、何か知ってるか。」

「流石の溺愛っぷりですね。」

「何も理由ないのに泣かねぇだろ。」

「そうですね。じゃあ、花衣様には言わないでくださいね。」

「分かった。」

仕方ないと言ったように呆れ顔で話し出した黎。

「今日の朝、花衣様は、楽しそうに幼なじみと遊園地に行くと言って出掛けて行きました。」

幼なじみ…心あたりがある。
あいつか…。白石 聖良。