次の日の朝、日曜日だけど私は6時に起きていた。今日から、ご飯を作らないといけないから。

「よし、何作ろうかな…」

昨日のうちに長谷部さんからキッチンの使い方については説明を受けたから、大丈夫。

フレンチトーストにオムレツにしようかな…

メニューを決めたら、早速作り始める。

「よいしょ、」

3人分の料理をテーブルに並べたところで、ガタッと後ろで音がして、振り向くと、凌さんがポケットに手を入れて、唖然とした様子で立っていた。

「あ、おはようございます!」

「お、はよう。て…これ、佑香が作ったのか?」

「はいっ!」

フッ…と凌さんは切れ長の目を細めて笑った。
凌さんって、目の色、ちょっとグレーぽいんだな…

「朝からこんなにありがとう、」

凌さんは私の頭をまるで割れ物を扱うかのように優しく撫でると、席に座った。

その時、なぜか分からないけど、凌さんに撫でられたところが熱くなっているように感じて、とっさに頭のてっぺんをおさえてしまった。

凌さん、これまで何人もの女性をおとしてきたんだろう…自分がかっこいいこと気づいてるのかな…