「もう、暗くなってきたね。」

時刻は7時過ぎ。

「そうだね。」

「じゃあさ、最後は観覧車乗らない?」

「うん!」

観覧車の周りは小さな光に照らされていて、ロマンチックな幻想感に包まれている。

「行ってらっしゃい!」

観覧車にはすぐに乗ることが出来て、スタッフさんに手を振られた。

そして、観覧車の中には私と聖良くんだけの空間が出来た。

「あのさ、佑香。実は話しがあって…」

「うん。聞くよ。」

「佑香は俺の気持ち、気づいてた?」

「気持ち…?今日の…?」

「純粋すぎるから。」

えっ?一瞬顔を私から見えないように逸らした聖良くんだったけど、温かい手で私の手を握った。

やがて、私に向けた顔はほんのり赤く色づいていた。