「佑香、」

「はいっ!、」

いきなり名前を呼ばれて、肩が震えた。

「ここ。」

そう言いながら、凌さんが指してるのは、自分の首元。

「何もついてないですよ?」

「じゃなくて、佑香の首元。」

何かあるのかな?

指先で触れてみるけど、全然違和感はない。
だから、洗面台の所まで行って、鏡を見つめた。

「えっ、これ、」

私の首元は、虫にさされたみたいに赤くなっていた。

「俺のっていう印。」

「へっ、?」

もしかして、あの時、ちょっと痛かったのは、これっ!?

「佑香、肌白いから目立つな。」

「や、これ、どうしたら…」

「どうもしなくていい。見せつけて。」

凌さんは一体何を言ってるの!どうしよう、隠さなきゃ。

「ば、絆創膏はります。」

「は?」