でも、私……タダでここに居させて貰う訳にはいかないな…

「あの…良かったら、これから、ご飯私に作らせて頂けませんか?」

「えっ?佑香っ?」

1番に驚いたような声をあげたのは、凌さんだった…

「その…私もそんなに得意と言うわけではないんですが…何か、協力したくて…」

料理なら、少しくらいはできる。
今までお母さんが仕事だったから、ご飯は自分で作っていたから。

「本当に…良いんですか…?花衣様…」

「はいっ!やらせてください!」

「凌様…」

「分かった、佑香、これからよろしくな。やだと思ったら、言えよ?」

「はいっ!ありがとうございます。」

それから私たちは席に座って、長谷部さんが作ってくれた料理を食べ始めた。

「美味しいっ!!」

「本当ですか!良かったです。」

いつぶりだろう…誰かとこんなふうに食卓をかこんだのは…嬉しい…幸せ…

「えっ!?佑香!!なんで泣いて…」

へ?あ、凌さんに言われて気づいた。私、泣いてる……

「嬉しくて…」

「そっか…」

私の言葉に凌さんはそう言うと、そっと頭を撫でてくれた。