「おい、遥斗。」

「え?あ、ごめん。」

遥斗は、俺の言葉で佑香の困り顔に気づいてすぐに謝った。

「えっ?いや、全然…私は…」

首を横に振った佑香を見て、俺は佑香の荷物を全部腕から取った。

「荷物置きに行くか。」

「あぁ、そうだな。」

「あ、凌さんっ、その、私自分で持ちます。」

少し遠慮がちに俺の手にある荷物に手を伸ばした佑香。

佑香はいつになったら、俺を頼ってくれるんだろうか。

「佑香、今日くらい甘えろ。」

「えっ……い、いいんですか?」

いいに決まってる。むしろ今日と言わずに毎日甘えてほしいくらいだ。

「そうだな。俺も花衣は真面目すぎると思う。」

「花衣さん、俺たちに任せといて!願いあればなんでも聞くよ。」

「無理に我慢して、怪我でもしたら大変だしな。」

口を揃えて言う俺たちに佑香は感動したように手で口元をおさえている。