いつだって、俺が……

いや、佑香なりの考えを否定するのは違うな…

「あ、佑香、廣山さん着いたらしい。ほら、行くぞ。」

「あっ、はい。」

さっきより強く手を繋いで、俺は佑香の手をひいた。

少しでも佑香が落ちつくように。

「凌様!こちらです!」

廣山さんに来て欲しいと言われた場所の近くまで行くと、どこからか名前を呼ばれた。

視線をずらすと、廣山さんが車から降りて深くお辞儀をしていた。

隣の佑香は、「あっ、」と声をもらしてお辞儀をし返した。

「すみません。廣山さん。」

「そんなっ!謝っていただくようなことはっ!」

相変わらず廣山さんは腰の低い素敵な人だと思う。

「あっ!!」

「ん?」

突然、何かを思い出したように声をあげた佑香。