『今日は楽しかったよ。ありがとう。
後半変な事いったせいで気まずくなってゴメン…(..)』と、北斗さんからのメッセージ。

いやいやいや、私の方こそ変な意識をしてしまって普通に話せなくなってしまってごめんなさい。 心の中で謝り、大きなため息が漏れる。


木島さんからは今度の飲み会の日程の調整のメッセージだった。
営業部の先輩で、最近よく声を掛けてもらえるのだ。

余り話した事はなかったけれど、最近話を掛けてもらい、皆と飲み会でもして交流を深めた方がいいとアドバイスを貰った。

確かにそうだなあと思い、連絡先を交換したのだ。 男性は苦手だから学生時代から避けてきたが、話してみると話しやすくていい人だった。


この際、木島さんに今日の事を相談してみようか。
いや、駄目だ。私の事だからついポロっと北斗さんの名前を出してしまうかもしれない。

社内でこんな私と北斗さんが噂にでもなれば、困るのは北斗さんだ。  二人に当り障りないメッセージを返した後、すぐに着信画面に切り替える。

お母さんの名前を見ると、また憂鬱な気持ちになった。 仕方がなしに電話を掛け直すと、不機嫌な声の母が電話に直ぐ出た。