「そうだよー。だってアンタ達、中学時代からあんな感じだったじゃん? でもさぁ、なんかあれが見てて微笑ましかったんだよね」

「…………」

(あたし達って、周りからはそう見えてたんだ……)

 絶句した真樹は、今更ながら気づいた。

「で? もうアイツに告ったの? それとも告られた?」

「……まだどっちもナシ。でも、同窓会が終わった後にまた話すことになってるから」

 その時に、もしかしたら何らかの進展があるかも。――真樹はそう続けた。

「へえ~、そっかぁ。っていうかさ、岡原(アイツ)のアンタに対する態度って、すごい分かりやすかったよねー」

 美雪の言葉に、真樹以外の四人が一斉にうんうん、と頷く。

「えっ? どういうこと?」

 真樹一人だけが、合点(がてん)がいかずに目をパチクリさせている。

「んーとね、思春期の男の子にはよくあることなんだな。好きな女の子についついちょっかい出したくなるっていうのはさ。――ま、お子ちゃまの真樹には分かんなかっただろうけどね―」

「お……っ、お子ちゃま!?」

 真樹の声が跳ね上がった。

「だって、岡原が初恋だったんでしょ?」

「う……っ、うん、そうだけど……」

 痛いところを衝かれ、真樹はたじろぐ。

「そして今でも、未練たらしく想い続けてるけど」

 ということは、真樹は今も〝お子ちゃま〟のままということだろうか?

「そんなに(にら)まないでよ、真樹ぃ。あたし別に、そういうイミで言ったんじゃないから。アンタのそういう一途なとこ、あたしキライじゃないし、むしろ尊敬してるんだよ」

「あ……、そうなんだ」

 美雪は真樹が知る限り、高校の頃から彼氏が何人もコロコロ変わっていた。もしかしたら、他にもいたかもしれない。
 それくらい()れっぽい美雪だから、たった一人の相手をずっと想い続けていられる親友(まき)のことが(うらや)ましくて仕方がないのだろう。

「だからさ、岡原の本心に気づいてなかったのも、すごいアンタらしいなぁって思ったワケよ」