「この前、和久井(わくい)さんにこっぴどく怒られたんだって?」

和久井さんとは、どんちゃん騒ぎのことを注意してきた先輩の名前だ。

「そうだよ。女子を呼んでチャビーバニーゲームやってたらうるせえ!ってマジギレされた」

「チャビーバニーって口にマシュマロ入れていくやつ?」

「そうそう。だからしばらくは誰も呼べない感じだよ」

「鈴村は呼びすぎなんだよ。とくに女子」

「だって俺が連れ込まなかったら家に男しかいねーじゃん! 女子がいたほうが楽しいだろ」

零士はそう?と、共感してくれなかった。

自分で言うのも変だけど、俺はモテ期が終わったことがない。

今彼女はいないけれど、声をかければ今日中にできるくらい俺のことが好きな子は何人もいたりする。だから遊ばなきゃ損だし、遊びたい時に遊べる女の子だっていくらでも紹介できる。

でも零士は浮いた噂ひとつ聞かない。

よく出掛けたりはしてるけれど、彼女がいる様子はないし、言い寄られてもうまく交わしている。

俺よりも遊びたい放題のルックスをしてるくせに、硬派とか冗談だろって思う。