「謝られなくて嬉しかっただけだよ」

優しい形の双眸に見つめられたら鼓動が大きく跳ねた。

「朝食、食べれる?」

「はい、お腹空きました」

「良い傾向。朝食持ってくる」

今日も頭をぽんぽんすると寝室から出て行った。
すぐに朝食の乗ったトレーを持ってくると私の膝の上に置いた。

「早くキスの続きをしたいから、今日中に熱下げてね」

桐人君は悪戯っ子みたいに意地悪な顔を浮かべる。

「む、無理です!」

否定すると私に近付いてくる桐人君の端整な顔。
目をぎゅっと瞑った瞬間、チュッと頬にキスを頂いた。

「仕事にいってくるよ。何かあったら絶対にまず俺に連絡して。ハウスキーパーさんが九時には来るからね、何かあったら彼女に頼って。お昼にメールするよ」

「分かりました……いってらっしゃいませ……」


桐人君は頭をぽんぽんすると寝室から出て行った。

桐人君の全てが甘すぎて、全身が熱い。