「どうして、ベッドに……?」

だって桐人君が初めて一緒のベッドに居るんだもん。
桐人君は右手で頬杖をついて私を見ていた。

「意識あるうちに居るのは初めてだね」

そう言うと桐人君は左手を私のおでこに乗せた。

「凄く熱いね」

私の右頬の感触を確かめるように指で撫でられると、あの時の感触が蘇る。

「さっきの夢ですよね!?」

「夢って何?」

「桐人君に、夜なんですけど、その、あの、」

「あ、キスしたのバレてた?」

口籠もる私とは正反対に、臆面もなくあっさり白状した桐人君。
判明した事実に私の頬に熱が集中していく。

「やっぱりしてたの!?」

「だって美優が可愛く俺の手に頬擦りしてきたから」

「熱移っちゃいます!」

「君の熱なら喜んで貰うよ」

「喜ばないで!桐人君は熱は無いですか!?」

「俺は大丈夫。心配してくれてありがとう。それよりももう一回してよ、頬擦り」

楽しげに笑う桐人君がそう言って私の右頬を大きな手で包んで頬擦りを要求した。