パタンと静かに閉まった扉をほぉっと蕩けながら見つめる。

新婚さんみたい。

五秒後、馬鹿なことを考えている自分に気付いて頭をブンブン振って、馬鹿な自分を追い出した。

冷静になろうと私も大学に行く準備をしておこうと考えると気付いた。

いつも大学までは中山さんに車で送迎してもらっていた。

「どうやって大学に行こう」






「は?一緒に住むことになった?」

なんとか大学に行くとすぐに諒ちゃんを見つけた。
昨日のことを説明すると諒ちゃんは目を全開に見開いた。

そりゃポカンとなるよ、諒ちゃん。
私も未だにあり得ない展開だと思っているから。

「お母さんが暴走しちゃって、仕方なくね」

「まー、適当にやれば?桐人君と」

呆れていたはずの諒ちゃんがいつの間にか不気味に口角を上げていた。

その不気味な顔が気になったが、追求すると面倒なことになる気配しかしないのでスルーすることにした。