私は頭をブンブン横に振って、気持ちを切り替える。

パウダールームで悶々と悩んでいても仕方ない。
桐人君もお風呂に入ってもらわなくちゃ。
彼は明日仕事だから。


お風呂から出ると桐人君はソファに座っていた。


「お、お風呂、お先にありがとうございます」

パジャマ姿が恥ずかしくて、私は彼を真っ直ぐ見れずにその場でモジモジする。

「此所に座って?少し話をしよう。冷蔵庫にお水が入ってたからどうぞ」

桐人君は自分の隣側を手を向けた。
目の前のローテーブルには小さいペットボトルが置かれていた。

私は言われた通りにそこに腰を下ろした。
何の話かとドキドキ緊張して、お水を口にすることも出来ずに身構えた。


「寝室のクローゼットは君が使って。僕はリビング横の部屋に置かせてもらうよ」

きっと寝室のクローゼットがウォークインクローゼットで広かったから譲ってくれたのだろう。

「分かりました、ありがとうございます」

あの部屋には机があった。
桐人君は仕事関係の書類もあるから、その部屋には勝手に入らないでおこう。