「だって、君も譲らない。僕も譲らない。それなら一緒に寝れば良いんじゃない?このベッド広いから大丈夫。ただ一緒に眠るだけって考えて?」

確かに縦横二メートルはある広いベッドだ。
密着することなく寝られるだろう。

『ただ一緒に眠るだけ』

桐人君は何とも思っていない。
妹と寝るようなものだと捉えているのだろう。

胸がチクッとしたが無視をした。

もうこうなったらヤケクソだ。


「分かりました!一緒に寝ましょう!」




お風呂を譲られて、先に入った。
小さい頃、桐人君のご家族と旅行に行って一緒に眠ったことはある。
でもあれは小学一年生の時だ。

着慣れた小花柄プリントのドレスワンピースのパジャマ。
心許なくて、カップ付きのキャミソールを着た。

桐人君は大人だ。
私を押し倒すなんてあり得ない。