結局高校卒業してすぐに彼女と別れた。
そこまで延ばしたのは美優が俺を見てくれない事実を見たくなかったから。
彼女を盾にしていた俺は卑怯な男だ。
高校卒業してからは美優の姿を見る機会はぐんと減った。
美優も婚約破棄してくるほどだ、もしかしたら俺を嫌いなのかもしれない。
だからそれからの五年半は、美優に会ったのは両手で数えられる程度だった。
このまま忘れようと思った。
あれは高校卒業から三年半程経った、秋晴れのとある日だ。
「桐人君、大事な話があるの」
俺の家に来た美優の母親が深刻な顔で俺を引き止めた。
「美優と結婚して欲しいの」
客間に二人で入るとまさかの言葉が出てきた。
「でも、美優さんから聞いてらっしゃるかと思うのですが、彼女から僕は婚約破棄の申し出を受けています」
そう伝えると彼女は困ったように眉を下げた。
「桐人君は、好きな人とか彼女がいるの?」
まさかの質問に驚いて、少し肩が揺れた。
「いえ、いません」
好きな人はいるが望みは叶わないので嘘をついた。
そこまで延ばしたのは美優が俺を見てくれない事実を見たくなかったから。
彼女を盾にしていた俺は卑怯な男だ。
高校卒業してからは美優の姿を見る機会はぐんと減った。
美優も婚約破棄してくるほどだ、もしかしたら俺を嫌いなのかもしれない。
だからそれからの五年半は、美優に会ったのは両手で数えられる程度だった。
このまま忘れようと思った。
あれは高校卒業から三年半程経った、秋晴れのとある日だ。
「桐人君、大事な話があるの」
俺の家に来た美優の母親が深刻な顔で俺を引き止めた。
「美優と結婚して欲しいの」
客間に二人で入るとまさかの言葉が出てきた。
「でも、美優さんから聞いてらっしゃるかと思うのですが、彼女から僕は婚約破棄の申し出を受けています」
そう伝えると彼女は困ったように眉を下げた。
「桐人君は、好きな人とか彼女がいるの?」
まさかの質問に驚いて、少し肩が揺れた。
「いえ、いません」
好きな人はいるが望みは叶わないので嘘をついた。