「えっ!?そうなの!?そんな重要な仕事をやらせてもらえるなんて楽しみ!」

桐人君の存在を一瞬忘れて喜んでしまう。


「君は美優さんと結婚の意思があると?」

「「へ?」」

諒君と私は桐人君のまさかの質問に目を丸くさせられた。
だってお付き合いしていますから、何で結婚!?

「どうなんだ?」

桐人君の威圧的な双眸に私は思わずビクッと怯む。

「い、いやいや、俺達はまだそんな段階じゃねーから!」

どうやら諒ちゃんも。
諒ちゃん、素で否定的に返しちゃってるよ!

「成る程」

桐人君は納得したように呟くと今度は私をまっすぐ見た。

「美優さん、二人きりで話したい事があります」


二人きりと言われてたじろぐが、桐人君は私の返事を聞かずに立ち上がり、ラウンジの出入り口へと歩いていったので仕方なく立ち上がった。
私は早足でついていく。
桐人君は辺りに人がいないホテルの奥まで行くと足を止めて振り返った。