「日向ちゃん?隣よろしくね」


そう言ってきたのは、去年も同じクラスだった前川奏くん。


前川くんも女子から人気で、校内でも有名。


例えるなら聖那が黒王子で、前川くんが白王子。


サラサラなブラウンの髪に中世的な顔立ち。


色素の薄い瞳、おまけに肌も白くて本物の王子様。


「あ、よろしくね!前川くん」


去年同じクラスだったにもかかわらず、ちゃんと話したのは初めて。


それだからか、妙に落ち着かない。


「ふふっそんな緊張しないでよ。俺のことは奏でいいから」