李衣のお目当てのキャラメルなんとか味のアイスを購入。
自宅がほぼ隣同士の俺たちは、部屋の行き来も当たり前。
公園で食べるよりも手っ取り早いため、今日は李衣の家で食べることになった。
「こーたろ早く!アイス溶けちゃう」
お邪魔しますー、と小さく挨拶して李衣の後をついていく。
階段を登ってすぐ、右側の部屋が李衣の部屋だ。
今日はおばさん居ないのか……
李衣のお母さん…おばさんと呼んでるが、おばさんは専業主婦だからたまに家にいる。
親絡みの仲だ。
李衣の両親は李衣にベタベタに甘くて親バカ。
まあその気持ちは分からんでもない。
「はい、こーたろのぶん」
「おお、ありがと」
李衣は部屋に着くと無防備にベッドに座り、アイスを食べ始める。
自分が買ったのにありがととか言っちゃったよ…
李衣につられて買ったキャラメルなんとかって名前のアイス。
「んーー!美味しい」
幸せそうにぱくぱく食べる李衣を見ると、自然と俺まで笑顔になる。
「ん…あま。うま!」
名前の通りの甘さだけど、完全に当たりだ。
李衣よりも夢中になって食べ進める俺を見て、李衣は「かわいい」と優しい笑みを浮かべる。