「こーたろってば、お外よりお家で2人きりになりたいんだ?大胆」
「デートしよう!外行こう李衣!!!」
まさに売り言葉に買い言葉。
………しまった、と思ったときにはもう既に遅かった。
李衣がにやにやと妖しい笑みを浮かべて携帯をいじり始める。
ここはー、とか、これはー、とか…
行き先を決めるために携帯を使って検索し始めた。
李衣とデート。
デートとは言わないが、まあ遊びに行くことは今までもあった。
例によって放課後が殆どだけど。
「こーたろ、日曜日大丈夫だよね?」
上目遣い。
はい以外に何も言わせないつもりだ。
頷くと、ぱああっと嬉しそうに顔を明るくさせる李衣。
その反応は流石に可愛い。
……っいやいや、可愛くない可愛くない。