犯罪者であっても、人権は守られるべきであるという声が上がり、看守が囚人に対して暴力を振るうのは禁止されている。しかし、この監獄では違うのだ。

この監獄は、凶悪犯だらけということもあり、外部の人間は関わりたがらない。それに加えて、この監獄にある囚人の多くが終身刑を言い渡された者ばかりだ。外に看守が囚人に暴力を振るったなどと情報が漏れることはない。

「一、二、三!」

看守は数を数えながら、楽しそうに鞭で囚人をまだいたぶっている。その顔は殺人に快楽を感じるシリアルキラーと何ら変わらない。ジャックの中でプツンと何かが切れた。

「やめなよ、そういうの。僕らは何一つ抵抗していないのに暴力を振るうなんて、君たちも犯罪者と一緒だ。いや、完全なサイコパスだね」

ジャックは看守の前に立ち、淡々と言った。ジャックの行動に他の囚人たちは驚き、鞭で打たれていた囚人はホッとしたような顔をしている。そして、ジャックの目の前にいる看守は、顔を真っ赤にさせて震えていた。