屋上の扉の前に立ち

ドアノブに手をかける。

すると案外普通に扉は空いた。

鍵かけなくていいの…?って少し思った

けどまぁいいか。

しばらくぼーっとしていたら

急に涙が溢れてきた。

大好きな親友に嫌われて

1番大好きなお母さんが死んで

ずっとそばにいてくれたお兄ちゃんが

意識戻らず重傷

私には耐えられなかった。

これからどうしたらいいの?

私は1人でどう生きていけばいいの…?

「1人は…嫌だよ…」

涙を流しながら

ポツリとそんな言葉を漏らした時…

「あれー?ドア空いてるよ?」

「本当だ。いつも閉めてるのに」

「先客か…?」

「先生だったりしねぇよな?」

と声が聞こえてきた。

「っ!?」

急いで涙を拭い、顔を上げるとそこには

驚く程顔の整った金髪の男の子人

真面目そうな顔の茶髪の人

とっても可愛い見た目をしてるピンク髪の人

いかにもチャラそうな赤髪の人

ちょっと怖い雰囲気の緑髪の人

が居た。

びっくりしてぽかーんとしてる私を見て

赤髪の人が

「え!めっちゃかわいい女の子いるじゃん!名前なんて言うの?LINE交換しない?」

とテンション高めに聞いてきた。

「あの…えっと、、」

突然の事でびっくりしてしまい

上手く言葉が出てこない。

「も〜楓〜!すぐそうやって声かける!いつか刺されるよー?」

とピンク髪の人。

緑髪の人はずっと無言だし

金髪の人はこちらを見てくる

そして茶髪の人が

「こーら!困ってるでしょーが!ごめんな?こいつらいっつも、こんな感じでさ」

「あ、いえ…別に……」

少しの沈黙の後

「なぁ…お前なんで泣いてたんだ?」

と金髪の人が話しかけてきた

それ聞く!?

今1番聞かれたくないんですけど?!

と心の中でツッコミを入れ

「大した理由じゃないです…気にしないでください」

それだけ言って私は屋上を出ようとした

「1人嫌なんだっけ?」

と茶髪の人が急に話しかけてくる。

「なんで…!え、聞こえてたの?!?」

さっき何気なく零れた言葉が

聞かれてたなんて……。