「有栖ちゃんって笑うともっと可愛いね!」

なんて楓が言ってくるから

「楓が言うとなんか軽いね」

「わかるわぁ、こいつ言うことが全然重みないんだよな」

と奏と意気投合。

この中で多分いちばん真面目そうな奏。

割と話が合うのかもしれない。

まぁ奏は多分私のこと嫌いなんだろうけど。

たまにすごい棘がある言い方をしてくるし。

しばらくして、特にすることもなくなると

「ねぇ。言いたくなかったらいいんだけど、なんで家に帰りたくないのか…聞いてもいい?」

と奏が言ってきた。

今それ聞くかぁ…。まぁそうだよね。

気になるよね。

私は今までのことを話した。

親友から嫌われ

いじめを受けて精神的にボロボロに

なっている時に親が死んでしまい

兄が意識不明の重体になっていること。

誰もいない家に帰りたくない理由。

話している時に私の目からは

ボロボロと涙が落ちていた。

「…………」

だけどみんなは何も言わずに聞いてくれた。

話終わる頃には私の目は真っ赤に腫れていて

「辛かったね…」

「さっきは本当に悪かった」

などとみんなが言ってくれる。

でも話して泣いたら心は結構スッキリした。

「ううん。聞いてくれてありがとう」

私は今できる1番の笑顔を見せた。