「心配してくれるっ……家族は……もうっ……」

心配してくれるら家族は“もういない“

認めたくなくて。

口に出したくなくて。

そこまで言って私は泣き崩れてしまった。

心も何もかもがもうボロボロ。

誰も信じられない。

何も信じたくない。

現実を受け止めたくない。

「もうっ…誰を…何を信じたらいいか…分からないっ…!!」

そう言って泣く私を楓くんと望くんが

背中を摩って慰めてくれた。

しばらく泣いたあとちょっと冷静になって

「いきなりごめんなさい…」

と謝った。

急に泣かれたら困るもんね。

悪いことしちゃったなぁ…。

「別に…強く言って悪かった」

と金髪の人が謝ってきた。

「いえ…!そんな!私もう帰り…帰るので!」

これ以上迷惑なんてかけられない。

私は誰もいない家に帰ることにした。

「……今日だけでも…ここ泊まっていけよ」