楓くんから借りたパーカーは

柔軟剤の匂いと香水の匂いがした。

男の人って割と匂いに気使うよね。

「有栖ちゃん?行くよ?」

「あ、はい…!」

どんどん歩いてく2人に

着いていくのが精一杯だった。



少し歩いた所で楓くんが突然

ヘルメットを被せてきた。

え?なに?なんでヘルメット??

頭にハテナを浮かべた私を見て

「あ、今からバイクで向かうんだけど乗り方わかる?」

と聞いてくる。

バイクなんて乗ったことない私は

首を横に振った。

「まぁ普通そうだよね〜」

なんて笑いながら言っている

望くんはもう自分のバイクに跨っていた。

「あ、あの…どうすれば…」

なんて戸惑っていると

急に体がふわっと浮いて

私はバイクに跨っていた。

楓くんが抱えてくれたみたい…

「重かったよね…?!ごめんね…??」

私は痩せてるわけではないので

申し訳なくなってしまった…。

「え?全然?じゃ、行くよ〜!」

全然て…楓くんってモテそうだよね…。