「あ、、ありがとう…ございます。」

と私は精一杯の声を出した。

「どういたしまして」

ニコッと笑うその笑顔は

眩しすぎてアイドルかと思った。

「ところで、有栖ちゃんなんでこんな所にいるの〜?結構もう暗いよね?」

ピンク髪の人が問いかけてきた

「家に……帰りたくなかったので…」

「それでこんな時間にここに来たの?」

「適当な駅で降りたので…ここが繁華街って分からなくて…」

私は帰りたくない理由が

明確にわからない程度に受け答えをした。

すると

「送るからさ、今からでも帰らない?」

と赤髪の人が言ってくれた。

だけど、今帰ったら私は絶対に

精神が病んでしまうだろう。

「どうしても…帰りたくないの」

そう言うとピンク髪の人は

「でもでも〜、やっぱりここ危ないからさ。送るからさ一緒に帰ろ?」

と言ってきた。

確かにここは危ない。それは分かる。

でも私は帰りたくない。

そしてしばらくの無言が続いたあと

赤髪の人が誰かに電話をかけ始めた。

警察…?とかじゃないよね…?

なんて焦っていると

「大丈夫だよ〜。警察とかには言わないから」

と考えを見透かしたように

ピンク髪の人が言ってくれた。

それなら良かった…。

「あ、僕の名前言ってなかったね。僕は白石望だよ!望って呼んでね!あっちの赤髪のは朱鷺楓!よろしくね!」

あ、やっと自己紹介してくれた。

ピンク髪の人とか赤髪の人って

呼ぶのはあれだもんね。

「えっと…小鳥遊有栖です…。」

私も一応自己紹介しておいた。

「うん!知ってる!」

「え?」

そう言えば名前言ってないのに有栖ちゃんって

呼ばれてたし……なんでだろう…?

なんて思っていると赤髪の…楓くん?

が電話を終えてこっちへ来る

「拓真もいいってさ〜。屋上の子って言ったら了承してくれたよ!」

と望くんに言っている。

拓真って誰ですか…。

とゆうか何がいいのよ。