屋上から出て下駄箱で靴を履き替え

誰もいなくなった家に帰る。

家の中はいつも通り。

キッチンからお母さんが話しかけてくる

ような気もするくらいに。

そんな事…もうないんだけど。

私はお兄ちゃんの服などをまとめて

如月大学病院へ向かう。

病院で受付をすませ、荷物だけを渡した。

お兄ちゃんはかなり酷い怪我をおっていて

今の私が見たら多分メンタルがもっと

やられてしまうと思った先生達の気遣いだろう。

まぁ実際、今、大怪我で意識失ってる兄なんて

見たら多分私は立ち直れないだろう。

先生達の気遣いにとても感謝して

私は病院を出た。

病院までは荷物があったのでタクシーで

来たけど、帰りは電車で帰ることにした。

帰りの電車に乗っている時

やっぱり家には帰りたくないな…

なんて考えてしまって、私は何気なく

家の最寄りとは全然違う駅で降りた。