「こんなところなんか飛び出して、苺と2人でいたい」

「菫、くん……」

本気の声色と瞳をして、私のことをジッと見つめる菫くん。

「……わかった、逃げちゃおっ……か……」

こんなの、無責任すぎるかな?

「あっ……でも、私お金とか、ないよ……?」

「大丈夫。目が覚めたらそこは——」






       おうち
僕たち2人だけの檻だから———






【続く】